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コンクリート・ジャングル [荘厳]

すこしずつあったかい陽気になってきて、仕事もなし、外へだらだらと繰り出したい今日このごろ、名古屋の某所へ円空仏を拝みに行こうかなと思ったが、開帳時間が短くすでに間に合わない頃合いだったので、方向転換、わが郷土が生んだもう一人の造形家・浅野祥雲の仕事を見に行くことにした。

浅野祥雲のことを前に書いたか覚えてないが、その仕事を初めて見たのは小学生の頃、歴史の勉強のために家族で行った「関ヶ原ウォーランド」でのことだった。わたしはおそらく平均的な子供たちよりはすでに歴史に強い興味を抱いていた少年であったものの、そこで印象に刻み付けられたのは、「関ヶ原の戦い」そのものの歴史ではなくて、園内で永劫の合戦を続けている不可思議なコンクリート像群だった。一種の迫真性みたいなものは確かにあったと思う。だが、リアルというのとはすこし違う。人の形を与えられて、合戦の真似事を行わなければならないということに驚いているような、そんな像だった記憶がある。それらの像が浅野祥雲というコンクリート塑像家の手によるものだと知ったのは、ずっと後のことである。祥雲の仕事は、近年一部の好事家の注目を集めるようになっており、本も出ている。

今日出かけたのは、犬山にある成田山の別院。近くには祥雲ファンの聖地の一つ「桃太郎神社」もあるが、そこは去年行った。成田山別院は、電車からいつも目にしているが、訪れたことはなかった。この地方では初詣でで賑わう仏閣として名前を知られているところであり、駐車場がむちゃくちゃ広い。山門を抜けると、本堂に通じる石段のすぐ手前に祥雲の仏像群がある。「五大明王」と「八大童子」だったはず。写真で部分的に紹介しておこう。

祥雲1.JPG


本堂の裏手にも、「三十六大童子」(数字は正確に覚えてない)だったかな、そんな名前の群像がある。わたしとしては、こちらの方が表情が豊かで好きである。

祥雲2.jpg


祥雲3.jpg


「関ヶ原ウォーランド」や「桃太郎神社」の像はペンキで塗りたくられており、もっと激しい情動を表していたが、朱一色で統一されたこちらの像の方が、像本来が持つ表情を目にすることができるかもしれない。

写真は他にもあるのだが、もし興味を持たれたなら、実際に行って見られるのがよいと思う。また、祥雲を詳しく紹介しているサイトもあるので、そちらを参照されるのもよかろう。

祥雲ファンの聖地の中ではまだ行っていない「五色園」にも、いつになるかわからないが、行ってみたい。
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