ミュートする寺 [荘厳]
円空仏探訪の続き。道に迷いながら、川向こうにある音楽寺というところに来た。円空仏を伝えている主要な神社仏閣・博物館の中ではここが一番近い。素敵な響きの名前を持つこの寺には、円空のスタイルが劇的に変化した時期に彫られた十二神将像などが残されている。
この寺は紫陽花でも有名らしく、6月中は紫陽花祭りが行われていたらしい。昨日わたしが訪れたときは、すでに季節が過ぎていたせいか、陽射しが強い一日だったせいか、花はまだ残っていたものの、少し色褪せてしまっていたようだった。ところで、目的の円空仏はこの紫陽花祭期間中しか拝観できないらしい。残念ながら、仏たちが奏でる妙なる楽の音を聞き取ることはできなかった。来年の紫陽花祭の期間に果たしてこの地にいられるかどうか。
夜は、DVDでオーソン・ウェルズの『ドン・キホーテ』。フランスにいたときに買っておいたのを漸く見た。ご存知のように未完の映画なのだが、何処の馬の骨か知らんスペイン人の監督が偶然フィルムを発見して、勝手に編集して世に出してしまった。この編集が酷い仕事で、無理に話を繋げるくらいならば、ラッシュ状態のものをそのまま断片として提示してくれた方がよかった。こちらで好きなように編集できるようにしてくれれば、なおよかった。この映画に関してどのくらい資料が残されていて、またスペイン人監督どもがどのくらい関与しているかははっきりわからない。しかし我慢して最後まで見ていると、何となくオーソン・ウェルズが構想していたものが見えて来る。何となく、ね。
タグ:円空
2010-07-05 12:04
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