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11月15日 Red Sun, Black Sand [イーストウッド]

  友人が入手してくれた券で『硫黄島からの手紙』のワールドプレミアを見にいく。イーストウッド親分を生で見ることができた。肉眼で表情を識別するにはあまりに遠かったけど。
  映画については、公開がまだ少し先なので詳しくは書くつもりはない。ただ、今振り返って思ったのは、日米双方の視点から戦いを描きたかったなんていうのは、嘘とまでは言わないが、ある種の口実だったのではなかったのか、ということ。これは、イーストウッドの視点が間違っているということを言いたいのではない。そうではなくて、この映画が撮られたのには、視点の公正さではなく、飽くまでイーストウッドの貪欲という動機があったはずだと、ふと思った。前回の日記に書いたように『父親たちの星条旗』がスナイパーの仕業だとすれば、こちらは、イーストウッドがいてもたってもいられず抜刀して、戦場を素足で駆け抜けたようなものだ。あまりに完成された『星条旗』に飽き足らず、自ら火の玉となるべく銃弾の雨の中に飛び込むジジイ。「戦争ってイヤだね」なんて、ニヤけ顔で言うことは許されない。青ざめて、ただ一言「オレは死にたくない」と吐き出すのみ。恐かった、マジ恐かったです。

  イーストウッド親分のきれいに延ばされた背筋。生き残る秘訣。


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10月28日 衛生兵! [イーストウッド]

 封切り初日に映画を見にいくということは殆どないのだけど、ドラゴンズが日本シリーズに敗退し、完全に力が抜けてしまったところに追い打ちをかけるかのようにとある面接試験を受けるはめになり、結果絶望を深め、思考不全に陥るという状態から何とか抜け出すべく、『父親たちの星条旗』を見に行った。最後にすがるのはイーストウッド親分をおいて他にあるまい。
 戦争を題材にした映画というと、ここ数十年というもの、扇情的な演出や音楽で観客の感情に訴えようとする作品が多い中、親分はそうした痴呆化の手段をことごとく退け、スナイパーが50キロ離れた対岸の天道虫を射抜くかのごとくに、緻密かつ的確に映画を作り上げてしまった。その例を挙げるならばキリはないのだが、もはや何処がすごいとかいうことは問題ではない。昨今の戦争映画を見た後ではある種の疲労が否応なく蓄積していることを感じるものだが、親分の映画を見た後では熟練の指圧師に治療を施されたのではないかと思うほど、脳ばかりか体全体の機能が向上した。その証拠に翌々日、とあるテレビゲームにおいて僕が率いるドラゴンズは4勝0敗で見事に日本シリーズを制したものだった。
 しかし、あらかじめ2部作の1本として作られたこの映画について決定的な考えを与えるのは難しい。この映画そのものは完全に独立した作品として見ることができるし、来るべき映画がこれと対称関係にあるわけでもないということは知られているのにも関わらず。とても不思議な感覚である。居ても立ってもいられず帰りがけにレンタルビデオ屋に寄り、この感覚にケリをつけるべく戦争映画コーナーに立ち寄ってみたが、回答を与えてくれるどころかヒントになりそうな映画も見つからなかった。


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