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黄道ふみはずす [映画]

ひさびさに友達と飲みに行って、終電では帰ろうと思っていたのが、だらだらとカラオケ屋に入って朝まで時間を潰して、どう考えても暖房費をケチっているとしか思えないくらい車内が冷え込んだ始発で帰宅、寝て起きて、遅めの昼ご飯食べたら、ズコズコと雪が降ってきた。バッカじゃねえの。煙草が残り少ないのに、これでは買いに行けないやないか。

先日は、デビッド・フィンチャーをもうちょっと見ておくべきやったのやろうかと思って、『ゾディアック』をDVD借りてきて見た。公開当時気になるとこはあったのだけど、意味深な題名やポスターにもあった象徴的な記号を見て、きっと神秘思想かぶれのサイコ野郎がグロい犯罪を犯しまくって、その雰囲気だけで押していく映画なんじゃないのっていうことで、見なかった。全然そんな映画じゃなかった。すばらしく面白かった。

事件が未解決のまま終わる映画というのは最近では珍しくはないのだと思うけど、『ゾディアック』の面白いのは、そもそもそこに事件があるのかという疑問が捜査の進行と背中合わせになっていること。もちろん人は何人も殺されているわけだし、映画は実話をベースにもしているらしい。ただ個々の殺人が、「ゾディアック」の名前を持つ一連の事件となりうるのかどうかは、結局わからない。つまり「ゾディアック」などという事件は、人々の頭の中、主人公の頭の中でだけ存在しているのかもしれない。連続殺人事件が、実は非連続だったなんていう話も珍しいものではない。しかし、ここでは非連続であることすら証明できない。手掛かりは至る所にあるのであって、暗号オタクの好奇心を誘って止まないのであるが、解読し続けた挙げ句、焦点を結ぼうとしていた像が、寸でのところで崩れてしまう。そして、そうこうするうちに、人々は消耗する。

という感じで、時節はずれに『ゾディアック』を見たのでした。
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