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BREEZY [イーストウッド]

 イーストウッドの長編劇映画で唯一見ていなかった『愛のそよ風』がリバイバル上映されてたので、見に行った。若い娘とデキてしまったおっさんが人目を気にするというだけの話で、大した事件も起こらない。そもそもウィリアム・ホールデン演じる不動産経営者の堅物のおっさんが、何故ヒッピー娘に心奪われてしまうのか、またそのヒッピー娘が何故このおっさんに一目見た時から惹かれてしまうのか、シナリオの上では一応心理的な裏付けがなされているのかもしれなが、どちらの登場人物にも感情移入できない自分にとっては、少なくとも画面上はまるで合点が行かない。だから、こいつらの関係がどうなろうと全く知ったこっちゃないのだが、どういうわけだか面白くて仕様がない。
 いや、ウィリアム・ホールデンが素晴らしいのは言うまでもない。この起用に関してイーストウッドが何を考えていたか知りたいところだ。そして、ワンコがまたもや重要な役割を果たしている。私にとってはワンコの存在のみが、この不自然な二人の関係を正当化しているものと見えた。
 ちなみに映画館にはスクリーンがなく、白壁に直射して上映された。別に特殊な上映会というわけじゃなく、普通の映画館に普通の料金を支払って見て来たのだけど。なんだかちょっと損をした気分だ。
 
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